こんにちは、鎌田安里紗です。
今回の旅ではエコ先進国と呼ばれるニュージーランドで、人と地球に優しい暮らしを実践する人々に出会い、お話を伺ってきました。どうしても日本では、環境問題を始めとする社会問題にまつわる話題は“真面目な話”として嫌厭されてしまいがちですが、どうやらニュージーランドの人々はそうではないようです。ひとりひとりが、自分なりの心地よさを見出し、それを仕事や暮らしにきちんと反映していく。自分のしあわせを最大限大切にするからこそ、周りの人や地球環境にも配慮を持つ。そんな姿が見えてきました。
2/22(水)成田→オークランドへ 2/23(木)着後、ecostore訪問とマルコムランズ氏と対面&ナチュラルコスメ作り
2/24(金)神々が宿るカウリの森、ワイポウア・フォレストへ
2/25(土)ナチュラルコスメやマヌカハニーなどエコでオーガニックなお土産探し
2/26(日)エコビレッジ視察と一般家庭でオーガニック野菜でランチ
2/27(月)オークランド発→成田へ 2/28(火)成田着
25年前、奥さんとエコビレッジに暮らしていたマルコム・ランズさんは、自宅から出る水によって環境が汚れてしまうことにショックを受けました。それは、洗剤に含まれる有害な物質が原因でした。以来、出来る限り環境に負担をかけない洗剤をつくるチャレンジを始めたマルコムさん。数年前に、二酸化炭素の排出量を抑えるため、パッケージを石油由来のプラスチックから、サトウキビを原料にした生分解性のカーボンキャプチャーパックに切り替え。今後も、今使っているものよりも環境や人に優しいものを見つけたらすぐにでも切り替えていきたいとのこと。誠実な姿勢に驚かされました。
強くてあたたかいコミュニティをつくることが、環境を守ることにもつながるというバーバラさん。「ご近所さんを大切に思うと、人とのつながりを感じられて、遠くにいる人のことも、自分たちが暮らす地球のことも、当たり前に大事にするようになるでしょう?」とのこと。ここアースソングでは、村のことはみんなで決める、オープンな空気をつくるなどなど、細やかなデザインや仕組みのおかげで深くつながった強いコミュニティができています。それぞれのお家に小さな畑と共同農園を持ち、安心して食べられるものをつくる。真剣に、暮らしやすい環境を考えて実現すると、地球にとっても優しい暮らしになるんだなと感じました。
ニュージーランドの原住民、マオリ族。彼らの文化は常に自然とともにありました。樹齢2400年とも言われるタネマフタまで私たちを案内してくれたマオリのビリーさん。「なんで森を守っているの?」と訪ねると「だって、自然がないと僕たち何もできないでしょう?」「すべてのものを自然からもらっているからね」とのこと。都市で暮らしていると、食べ物も服も、携帯電話ですらも、自然の資源を使っているのだという事実を忘れてしまいがち。彼らは、そんな当たり前のことを当たり前に大切にしていました。
自宅の庭に小さな畑を持ち、そこで野菜やフルーツを育てる。鶏や牛と暮らし、卵やミルクを頂く。できる範囲で、自分たちが食べるものは、自分たちで生み出す、そんなライフスタイルをニュージーランドでは無理せず取り入れているようです。今回訪ねたロスさんのお家でも、手づくりの畑には、ジャガイモや豆、レモンやモモ、ハーブやイチゴなど、毎日の食卓を豊かにしてくれる食べ物たちが。フルーツが採れる季節が楽しみなんだと語るロスさんを見て、食べ物を育てることは、日常で自然とつながるきっかけになるのだと感じました。
できる範囲で無理のない小さなお庭
肌が弱かったスザンヌ・ホールさんが、自分が安心して使えるコスメを作ろうと、自宅キッチンから始まったリビングネイチャー。100%ナチュラルな成分で、使う人にはもちろん、地球環境にも優しいコスメ。製品のほとんどは、ケリケリという小さな街の自社工場でつくられます。工場を覗かせてもらうと、手づくりでつくられるコスメはまるでお菓子のよう。自分が納得して使えるものを、他人にも使ってもらおう、そんなものづくりやビジネスのあり方が、もっと増えたらいいなと思いました。
レポーター:鎌田 安里紗
1992年7月21日、徳島県生まれ。ニックネームは「ありちゃん」。高校進学と同時に単身上京。在学中にギャル雑誌『Ranzuki』でモデルデビュー。テレビや撮影などの活動を続けながら、2011年に慶應義塾大学に現役合格、2017年に同大学の大学院を卒業し、芸能活動も続けている。途上国の支援活動に関心が高く、自身のブログでも情報を発信。JICAの『なんとかしなきゃ!プロジェクト』のメンバーにも選出され、フェアトレード製品の制作やスタディツアーの企画などを行っている。