5. 屋久島ツアーで出会える動植物たち

皆さんこんにちは!当連載「屋久島ツアー満喫ジャーナル」でさまざまな屋久島観光情報を発信している、HISエコツアー企画の丸山です。 屋久島には、日本で確認できる植物種の7割以上が存在し、さらに約40種の固有種(屋久島だけに自生する固有の植物)が生態系を育んでいると言われています。
屋久島ツアーでは、そんなこの地ならではの動植物との出会いを楽しみにされている方も多くいらっしゃいます。 今回は夏休みやシルバーウィークに一人旅、女子旅、家族旅で屋久島行きを考えている方たちのために、屋久島ツアーのなかで実際に出会える動植物についてご紹介したいと思います。

屋久島ならではの動物

ヤクシカ(哺乳類)

屋久島および口永良部島に生息するニホンジカの亜種です。大人のヤクシカでも体重は25~35kg程度で、日本にいるニホンジカ亜種のなかでも小さめと言えます。サイズの割に四肢が短いのも特徴。屋久島には2万頭弱が生息しているとされ、市街地からトレッキングコースまでさまざまな場所で姿を見ることができます。

ヤクザル(哺乳類)

こちらは屋久島でのみ見ることができる、ニホンザルの亜種です。本州から九州本土で見られるホンドニホンザルに比べて体が小さい(45~60cmほど)、毛が長い、手足の毛が黒っぽいなどの特徴があります。ヤクザルも島のあちこちで見られ、とくに春から夏にかけては生まれたばかりのかわいい子ザルに出会えるチャンスです!

鳥類

屋久島に生息する鳥類は40科115種と言われており、国の天然記念物に指定されている鳥ではアカヒゲ、カラスバト、イイジマムシクシ、アカコッコが生息しています。鳥獣保護法により捕獲が禁止されているシマメジロや屋久島の固有亜種であるヤクシマヤマガラなど、小型のかわいらしい鳥がたくさんいます。

爬虫類

日本のヤモリでは最大級(全長12~15cm)のヤクヤモリ、毒ヘビのヤマカガシ(でも性格はおとなしいんです)など、屋久島には大型の爬虫類が豊富です。そして、5月下旬から永田いなか浜や栗生浜などで見られる屋久島ツアーで人気のアカウミガメやアオウミガメも、実は屋久島を代表する爬虫類なんです。

昆虫類・甲殻類

屋久島には800を超える昆虫が生息しており、愛好家の方には「昆虫の島」として知られています。昆虫の代表例は、屋久島の固有亜種であるヤクシマトゲオトンボやヤクシマミドリシジミ、「最も美しいチョウ」とも言われるツマベニチョウなど。西部の浜辺では、天然記念物のムラサキオカヤドカリを見られるかもしれません。

屋久島ならではの植物

亜高山帯の植物

宮之浦岳の山頂付近や花之江河などの亜高山帯に属するエリアでは、ヤクザサ(ヤクシマダケ)、ヤクシマツルリンドウ、ヤクシマシャクナゲといった冷温帯の植物を見ることができます。ヤクシマシャクナゲは樹形、淡い白やピンクの花の色、濃緑色の葉の美しさから、シャクナゲ愛好家の垂涎の的となっているようです。

山地帯の植物

標高500mを越えたあたりから1300m程度のところまでは、照葉樹林のなかに大きな屋久杉が点々と見られるエリアです。西部林道の高所では、屋久島と種子島の一部でわずか1000本程度しか現存していない(環境省の絶滅危惧種に指定されている)希少なヤクタネゴヨウを見ることもできます。

山麓帯の植物

幹が「絡まる」姿から名前がついたという説もある樹高20mのガジュマルや、葉っぱが昆布のような形をしているオオタニワタリなど、温かい地域で見られる植物が多く生育しています。屋久島と種子島にだけ分布しているヤクシマサルスベリは、今後の絶滅が危惧されている植物です。

屋久島は壮大なフィールドワークスポット

屋久島ツアー・屋久島トレッキングの魅力は、変化に富んだコース・エリアのなかでさまざまな「出会い」があることです。ここでしか見られないいろんな動物や植物を観察できる絶好のフィールドワークスポットが、島内にはたくさんあります。年中ベストシーズンとも言える屋久島ですが、7~8月(夏休み)や9月(シルバーウィーク)はとくに絶好のフィールドワークシーズン。皆さんも、この地ならではの動植物に出会ってみませんか?